下町ビュー

国内サッカー(主にグランパス)、社会福祉と街歩き、人について書いています。

12節 対Ⅽ大阪 気迫とリアルと結果

第12節、シーズンの3分の1と考えるとあっという間すぎる。

8連敗中のグランパス。相手は優勝候補といえるセレッソ

一昨シーズンのJ2をプレーオフを勝ち抜き昨年J1復帰。18番目のチームとしてJ1に臨み、結果タイトル2冠という素晴らしい結果をのこしました。今シーズン、十分すぎる?と思える補強もしています。

 

グランパスは前節、上向き傾向を印象付けましたが結果は敗戦。5月頭にして相手がどこであろうと結果を出さないといけない状態。

考えてみればグランパスというクラブは昔から相手が強かろうが勝つときは圧勝するし、格下と捉える相手に完敗してきたクラブです。この状況に「相手がセレッソじゃあ今節も厳しい…」などと真面目に現実をみても仕方ないと思える境地に私はいます。

 

個人的にこのチームのラストワンピースと考えていた新井が復帰。

昨シーズン途中に加入。大怪我によって4試合の出場だったものの、やはり昨シーズンも易々失点するチームに“ディフェンス”を知っている選手として鮮烈な印象を与えた選手でした。大怪我を負っても尚、移籍金を出しても獲得して欲しい選手でした。

膝の前十字と側副靱帯損傷は想像以上に感覚がわからなくなる怪我だったと思います。リハビリ中のコメントでも決して浮ついたり、ネガティブな発言を表に出さない意識も素晴らしいと思っていました。

 

その新井をホーシャと組ませての2CB。櫛引を今節も左SBとして先発。右SBに菅原を起用。宮原を中盤センターでアーリアと組ませ、前線を和泉・青木・シャビエル・ジョーの4人。小林と秋山はベンチスタート。

 

立ち上がりの5分、15分、30分とどのフェーズを取っても前節までと見違えるディフェンスでの連携を見せます。

球際も激しい。ホーシャの激しさと熱さは空中戦でほぼ負けていない結果が全てを物語っている。ホーシャに限らず全員、確実なクリアを見せる。

ディフェンスラインから前線までシンプルにプレーするところと細かいスキルフルな連携を発動させる場面の構成が良かったと思う。これまで繋ぐ繋ぐ、足元へが全体の7割。繋いだ先に共有されたフィニッシュはありませんでした。敢えて密集したゾーンにボールを入れる、というこのチームの求める形はありません。

それに関してはシーズン終盤に選手たちが自ずとトライできるような思考、精神状態を保てて実施すれば良いと私は思います。

 

くだらない、本当にくだらない報道があります。ネガティブキャンペーンをどこからか依頼されているのか。そう考えられてもおかしくないメディアがあります。そういった報道に乗ってしまう読者もいるでしょう。

 

今日も勝てませんでした。決定機はほとんどなかった。それでも単純にジョーを最終地点と定めて逆算した攻めに迷いはなかった。当然、行き着く先がわかればそこを封じれば終わり。でも終わらせられないジョーの能力と、計算を誤算にさせることのできるシャビエルがいることで相手は手を焼きます。

 

また、この試合で青木が右サイドで出場。今シーズン最高の出来に見えました。単純なプレーかもしれませんが、菅原からの同サイドのパスを絶妙の体の使い方で前を向いてファーストタッチをする(菅原がパスを出すときはゴールに背を向け、トラップの瞬間身体を反転させ、ファーストタッチ時にはゴールに向かう)。あの動きがなかなかなかった。青木の存在がチームに戻ったと思いました。

 

この試合、決定機が作れなかったのはジョー自身が語った通り「戻ることを考えずに自分の近くにいて欲しい」という要求にチームが応えきれなかったから。

気持ちはわかる。今日も、近くにあと一人いれば決定機になっただろうシーンはあった。けど今日は全員がいい感じでセーフティファースト、先ずは守備、の意識からそうなったのかもしれない。今しばらく、中断まで、ジョー、シャビエルの二人で攻撃を完結お願いします!

次節には往年の名ストライカー・ウェズレイ氏が来場するそうです。彼が在籍したころは面白みも無いほどウェズレイは得点を取っていた。相方にバスティッチマルケスという素晴らしい選手がいました。当時の日本人選手は今のメンバーと比して鳴り物入りで加入した寄せ集め集団。

懲りずに、ジョー、頼みます。

 

最後にベンチワークについて。

ぶっつけ本番出場の新井を60分で交代させたのは賢明な判断。新井がいることでディフェンダーが揃いました。決して無理はさせられない。交代は得策でした。

その交代で出場したのが不動のスタメンだった小林。チームの重心がやや後方だったこともあり、また、途中出場の影響か、パスコースを創る地味ながら絶大な働きをしていた小林。フィジカルと思考調整のためのベンチスタートと考えています。アーリアが退場となったため、次節はスタメン濃厚か。

この日のアーリアはファウルとわかってでもピンチを潰すファールを仕掛けるなど、それなりにプロでの経験を具現化していました。シンプルな、今のチーム事情に合わせたプレーをしていましたが、宮原の隣に小林も十分見たいところ。

 

そして秋山。

現状のベンチで流れを変える、活性化させられる唯一の選手。スタメンでも見たいですが、残り15分辺りで登場、気迫で2,3人と対峙して前へ進む推進力は見る者のに響きます。大学ではボランチをしていたそうですが、サイドで深い所を目指した迷いのない突破はサポーターのテンションを上げてくれる。

 

内田も出場しましたが、良質なクロスを期待されての投入だと思いますがいつも期待されるプレーを出せていません。これが押谷であったら…。

 

玉田の復帰、寿人の復帰、八反田の復帰が望まれます。

 

GKをミッチから楢崎にせよ、と言う人を見ますが、100%賛同できません。

楢崎を見たくない、などというサポーターは皆無です。ですが、足元のプレーよりも、前へ出るプレーが求められるハイラインディフェンスの今、それは難しいかと思います。

 

次節マリノス戦。

社運を賭けた一戦。今年からポゼッションサッカーにスタイルを変えています。にわかに上昇気流を感じる相手。

ただし提案型サッカーの先輩であるグランパスが、リアリスティックに戦い、どのような結果になるか。

GWですが4万人動員プロジェクトをクラブスタッフが打ち出せるほどのチーム状況ではありません。来場してくれたサポーターが喜んで帰途に着けるよう、試合後「このサポーターと共に戦う」と言ってくれた言葉を信じ、サポートしましょう。