下町ビュー

国内サッカー(主にグランパス)、社会福祉と街歩き、人について書いています。

13節 対マリノス 興行として成功 見せた執念 審判団の実習の場ではない。

長かった連戦、リーグ戦については前半戦ラストゲーム

アウェーサポーターも大挙して来場され、観客数は38000人という、サッカー専用競技場は劇場のように見えました。

 

マリノスは前節ジュビロ相手に敗戦。不安定ながら勝ったり負けたりしながら、昨シーズンまでと全く志向の違うサッカーに取り組んでいる最中。ハイラインハイプレス、ポゼッションサッカーアクションサッカースタイルに取り組んでいます。

当然、ディフェンス陣に求められる役割も変わっているのでしょうが、中澤という日本で最もディフェンスを知り尽くしているといって良いベテラン選手を登用している以上、マリノス伝統の守備の核は残っていると感じました。

 

対するグランパス。正直、まさかとは思いましたがメンバー及びシステムを前節と変更してきました。それは良い面も見せ、不安になる点も見せました。

 

GK ランゲラック

DF 宮原 新井 ホーシャ 櫛引

MF     小林

   シャビエル 和泉

FW 八反田 ジョー 青木

 

前節アーリアが退場したため今節出場停止。単純にそこに小林と配置、宮原と役割分担を明確化したダブルボランチ配置を予想していた。

前線も流動的とはいえ、右に青木、左に和泉、ジョーとシャビエルの2トップで前節からの流れを継続するものと思いました。

 

前節、ディフェンスは本当に手中して守っていた。セカンドボールを拾う場面も多く相手の波状攻撃を散発化することに成功していたと思っていただけに。。しかしシュートは3本と、攻撃に関してはノーチャンスだったことも事実。そのため今日の布陣も納得することはできました。

 

いやいやしかし、失点シーンが全てを物語ったと言える。マリノスの両サイドバックは中にもポジションを取る、そして本業ともいえるクロスの精度が非常に高い。攻撃時に小林の両サイドのスペースにサイドバックが侵入、起点を作られるという相手の術中にはまります。

失点シーン、左ワイドには相手の遠藤がいたような気がしましたが、中でボールを持った山中は猛然とペナに侵入する喜田めがけて質の高いクロスを放つ。ホーシャも櫛引も高さで圧倒的に勝っていながら、二人が揃いながら完璧な2.5列目からのスプリントに対応できず失点をしてしまいます。

相手を褒めるほうがいい。ゴールに向かう3選手が同イメージを共有して結果を出した形でした。

 

ただし、グランパスは思いのほか意気消沈することなく用意したサッカーを続けます。失点後、右のウイングで相手の脅威には成り得てなかった八反田を秋山に交代。

八反田も怪我明けぶっつけでしたが、決して悪かったわけではなかった。ポジションにとらわれず、見方を活かすスペースを作ったり、前線でボールロストした場面で素早く守備に戻る等、今のグランパスに求めらるプレーの選択を的確に行っていました。

今後、貴重な存在がトップチームに戻ってきたと思います。

 

秋山が加入し青木が右へ。

前節もそうでしたが青木は右が良い。彼も左サイドバックから自分の生きるポジションへ放たれた選手でした。確かに昨シーズンは秋山とのコンビ、和泉との縦関係での崩しなど左でいいプレーをしていましたが、前節の右サイド起用でついに青木が青木のプレーを出せた!と思いました。そしてこの試合も明らかに右サイド転換、インサイドハーフの和泉とのコンビネーションは日本人選手同士の連携では最もチャンスに結びついていた。この現実ユニットをチームも忘れないで欲しい。

 

左サイド、秋山と櫛引。櫛引はサイドバックとして十二分にやってくれています。自陣ペナで体を投げ出してのディフェンスから前線へ上がる、シュートも放つ。また、秋山も縦への推進力で仕掛けます。中澤に封じられたシーンも危険なエリアに侵入したからこそ。コンビで崩さず、ドリブルと外し、抜いてからのイメージが明確なので存在が光る。

 

マリノスの両サイドバックはクロスの精度も抜群。チームとしていいスカッドがいるなと思わせてくれた。宮原はクロスの質で勝負する選手ではない。サードの位置まで上がり、外して前を向く選手に確実に預ける。今日は初めて、ペナに侵入、ポストをたたくシュートがありました。あれを増やしたい。

 

後半は攻守が目まぐるしく変わる見てるほうには楽しい試合も、ここ数試合見ていて気になるのが攻め急ぎ過ぎなのでは?という思い。

特にシャビエルが中盤でボールを受けると何せ速い。ついてこれている選手が少ないので一旦スピードダウンするも、そこでタッチ数が増える。味方、特に青木・和泉が前を向いて受けれそうなところでやはり出さない。

出さないことがフェイクになって次のプレーに移行するのはありですが、FC東京線でも青木に出せる場面で出さなかった気がしたシーンがあって、この日もあった。

 

シャビエルについて気になるのが感情をコントロールできずにイエローをもらうシーンが増えている。フラストレーションが溜まっているのは間違いない。イラつきながらプレーしているのが表情を見てもわかる。

 

確かにである。この日の主審はまだ統一感のあるレフェリングをしたと思う。しかしこの日の線審はめちゃくちゃだった。前節も、全然説もレフェリングで試合展開が大きく変わってしまうのはチームの幼さなのは言うまでもないが、他チームの試合結果を見ていても今シーズンは審判団の実践デビューイヤーなのか?疑いたくなるような判定が多すぎる。昨シーズンJ2にいたからなのか、J1の審判団はもう少しレベルが高いと思ったが全く差はない。むしろ選手とのコミュニケーション不足が過ぎる。

 

小林は累積で次節出場停止。シャビエルもリーチか?シャビエルは不満からカードをもらうことが目立つ。それに引き換えジョージョーに対するジャッジも「おいおい逆だろ!見事にオンサイド!」というシーンが多々あった。当然不満を露にするが見てる限りメンタルバランスを著しく乱していない。そこにプロフェッショナルを感じました。

 

最後に、またも終盤に押谷投入。いかんです本当に。ミスはいい。切り替え、トランジションが遅い。ミスに浸る時間は0.1秒もないことにいい加減気づけ。ギャグだけど、あの時間帯だけだったらウェズレイが出て居たほうが相手は怖かったはず。

 

 

中断前のリーグ戦終わって勝ち点9。明日の鳥栖戦にもよるが、まあ最下位です。

チームは上向いてきました。崩し切っての得点はないけども、ラインの裏、ジョーの高さを生かして得点を狙うことはできてきた。3失点が当たり前の試合が当たり前でなくなった。これは新井効果。且つ、ランゲラックのビッグセーブによるものだ。

満額勝ち点39の所、わがチームが得た勝ち点は9。

今シーズンの目標は残留。残留目標勝ち点が45とするとあと3分の2で12勝は必要。

 

アカデミーとの連携を打ち出し、2種登録選手を増やしたグランパス。この試合、これまで全試合出場してきた菅原がピッチに入れませんでした。二種登録、強化指定選手は増えども近未来への投資としかできないチーム状況になってしまいました。

 

どうしたら勝利に近づけるのか、8連敗後の二試合で見えてきたのが収穫でしょうか。それをもって中断期間、おそらく誰もチームを離れることはないでしょうから

 

 

今節クラブMVPランゲラック、次点ホーシャ。

 

それではまた。