下町ビュー

国内サッカー(主にグランパス)、社会福祉と街歩き、人について書いています。

DF新井一輝に惚れ込む

いくつか記事になっていますが、昨シーズン途中から加入。重傷を負い昨シーズンを6試合で終えてしまった新井。しかしながら新井の慰留を望む声は少なくなかったとありました。

 

昨シーズン開幕から観ていた方にとって、新井のプレーは「こんな選手がいて欲しかった」と強く思わせたのだろうと思います。

 

順天堂大からマリノスに加入するも伝統的にCBの層が厚いマリノスで出場機会をなかなか得られなかった。出場機会を求めた新井と、風間スタイルに適応できるDFを欲したグランパスの思惑が一致して期限付き移籍となりました。

 

期待されて加入したブラジル人CBのシャルレスがまさかの早期退団。CBでのプレーを期待されてきた大武が1試合出場で構想から外れ、早々新潟に移籍。本職が櫛引のみの状況下でCBは中盤が本職の小林と磯村が務める事態。パスは出せてもCBに求められるCBのプレーが出来る選手が不在という、編成側にも大きな責任問題が迫れたなか、新井はやってきた。

 

ああ、やっぱりCBを続けてきた選手って違うな、DFってこれだよな、と思わせてくれた。


そして何よりサポーターの心を掴んだのは彼のコメントではなかろうか。「自分のポジションの仕事をこれまで通りやるとすると、風間サッカーでは違うプレーとなってしまう。その折り合いをつけるのが難しい」といった趣旨のコメントが度々聞かれました。正直そのもの。

周囲から見ていて頼もしいプレーぶりに見えているのに課題に向き合う志向。適当に、その場、その試合のことだけを指すコメントではなかった。模索しながら挑戦しながらも失点しない働きのできる選手。


それは復帰して2試合目にしてフィールドプレーヤーの中で最も的確にピッチ上の事象を把握し、自身への課題を明確にコメントしていることからも、なんとインテリジェンスに溢れた選手だ!と思います。


マリノス戦、前線のジョーとシャビエルは間違いなく守備意識は持って実践したと思う。でも以下と連動していない、且つ、インテンシティの弱さは確実に伝わり、結果見事なまでにマリノスに支配された。最終局面で守れたので1失点で済んだ。私は1失点であること、相手のクロスの精度と走り込んだ選手のタイミングが良かったので仕方ないと思った。


新井は「確かにプラスに行っていた。でも選手個々人の問題もあって、相手にちょうどいいプレスになっていた」とプレーしながら把握をしていた。言われると確かにそうだ、と素人でも気付く、気付けることを発せる。


「そういった前線まで1番見れていたのは自分だった。だけど自分の発信力不足もあって伝えきれなかったことがダメだった」とコメント。


こういったディフェンスに関する修正点を風間監督は決して口にしない。個人戦術の問題、という、素人には「無策」と捉えられて仕方ない表現をする。そんな監督をフォローするつもりで新井がコメントをしている訳では当然ない。これまで誰一人アウトプット出来なかったピッチレベル、最後尾から見たディフェンスについての問題点を指摘、それに対する改善方法を自らの課題として言葉に出来る新井は、その体躯、身体能力と足下の技術というどのクラブも欲しがるディフェンダーだと思う。


自分が思う事を主張するとチームが目指すサッカーにそぐわない、とかそんなことは絶対考えて欲しくない。新井にしか伝えられない事がいまのグランパスにはある。


グランパスでの公式戦は10試合に満たないが、私達は移籍加入選手だからとか新参者だとか一切思っていない。


グランパスの背番号5はトーレスが礎を作った番号。その正統な後継者だと思える。賢人CBがグランパスには、います。


諦めない!