対 柏 守り抜いたというより総力戦で勝った
対 柏
1-0〇
@日立台改め、三共フロンテアスタジアムへ観戦に行きました。
グランパスは報道の通り3-4-3で臨む。
抜擢、という言葉が当てはまるのは3CBの左に櫛引。左WBに青木。櫛引は新井との競争に勝って先発。
左WBに金井、右に和泉もありえたであろうなか、青木が先発でスタート。
序盤は柏のアタック。右の小池、代表帰りの伊藤の攻め上がりは効果的に見えた。
ほぼセンターから瀬川に一点もののシュートをミッチがファインセーブ。右手一本。確かに猛攻といっていい攻めだったものの、ミッチのセーブもさることながら、中谷は対面のクリスティアーノに全く負けず。
攻められてはいるものの、時間と共に3CB+両WBの守備は機能し、破らるのは時間の問題という感触はなかった。
柏でやっかいだったのは18番の瀬川。名古屋ディフェンスラインの間に入り、絶えず裏を狙っていました。
しかしながら、些細な動きにも名古屋の最終ラインはマーク&カバーを疎かにせず。観戦していた席がちょうどディフェンスラインの位置の延長線上だったので良くわかりました。
転じて、攻めはどうだったのか。ネットが以下のようなポジショニングから全体をコーチングしながらオーガナイズしていたように見えた。
最終ラインの右サイド。中谷よりも右とでも言いましょうか。当然、相手もここまでマークに来ません。この位置から身振り手振りでチームの動きを指導しているように見えた。そしてネットからして「整いだしたか…」なタイミングで本来のポジションへ上がる。
20分程、相手の攻撃を凌ぐとわかりやすい名古屋ペース。小林が前目、かなりフリーランしながら中継地点をつくる。空いたスペースへ玉田が流れ、ドリブルも交えながら流動性という流れを生む。
自分より一歳年上の選手がここまでピッチ内で動き、エンジンを点火させるために動く姿は尊敬の念でいっぱいです。
左WBの青木はボールを持てば独特のタイミングで違いを生もうとしているのがわかりました。しかしそれがチームとして効果的だったかといえば微妙。5レーンでいう、最もサイドのレーンに固執したか。
右WBの前田はボールを持てば自分のプレーで縦、カットインしての中、という自分の武器を見せ、仲間もその動きを生かすべくポジショニングしていた。
青木に足りないのは自分が生きるために、自分のプレーを仲間にもっと理解させることかもしれない。青木のプレーをチームで出させるようにすれば名古屋の武器はまた増える。
そうこうしているうちに、やはり存在感は異次元に近かったシャビエルの折り返しから前田がゲット。やはり、逆サイドでの自分の動きを理解していたからこそ、あのポジションに前田は居れたんでしょう。
ちなみに得点後のディフェンスはさらに安定。以下のようなラインを形成。
真ん中で丸山が常に瀬川をみはる。
前後半合わせても、丸山のプレーは秀逸。後半、神がかったシュートブロックはこの日一番の見せ場だった。
櫛引は自分の存在感を見せつけた。自分も気づいたか。機動力のあるCBだ。攻めあがってラスト-1プレーヤーになることも彼の持ち味。サイドバック起用されてきた効果が表れている。前述の丸山のシュートブロックの奥で櫛引もブロックしていた。
新井ほどの堅牢さはない。しかし機動力という点では櫛引の方が上だった。彼の努力を見ることができた。
ミッチのセービングは見事。パンチングにしても間違いのない所へボールを弾く。ミスがない。本当に素晴らしいGK。
中谷も素晴らしい凱旋試合だっただろう。空中戦で全く負けず。ラインを上げてボールがきても落ち着いてパスを成功させる。文句のつけようがないディフェンダーだ。
柏のCBには共に将来を嘱望された中山。彼も最終ラインから前線へ素晴らしいフィードを何度も見せた。この二人がいればどう考えても将来安泰だ。中谷を手放した柏の罪は重く、5年契約、移籍金2.5億で買い取った名古屋は素晴らしい。
ちなみに試合後中谷は誰かとユニフォーム交換をしていた。誰とだ?と思っていたら鈴木とでしたね。尊敬する先輩だったのでしょう。
移籍したチームで活躍することが恩返しとは、この日の中谷の活躍が本当に物語る。終了後、名古屋サポータースタンドへ挨拶後、一人、真っ黄色な柏ゴール裏へ走っていく中谷。挨拶、というより、まさかの深々としたおじぎ。
数秒間でしたね。私にはブーイングしか聞こえませんでしたが、拍手もあったようです。このような光景を見ると、彼の事は名古屋が立派に育てますよ!と言いたくもなるし、柏のチャントは独特且つ、レイソルからしたら心強いものだろうと思えました。
今シーズン、田口、永井と名古屋に在籍した選手が名古屋サポに挨拶にくるかと期待したら、全く相手にもされなかったのは悲しかったです。それだけに、この日の中谷の姿勢に感激。
日立台は本当に素晴らしいスタジアム。距離感の近さというのは、サッカーの展開を全て楽しむ、という物とは離れますが、サポーターから声援を受ける選手の期待値や選手の声、ボールを蹴る音など、臨場感を得ることができる。
SSビジター席¥5100、十分価値あった!
今シーズンの現地観戦はこれで3試合中2勝1敗。勝ち越し!今年はもう現地観戦は難しいかもしれないなー。
しかし日立台を考えると、大箱サッカー専用スタジアムが全てじゃないと本当に思う。