ルヴァン杯 ベガルタ仙台戦 「ゴール裏にあったもの」
はじめに
前回のブログを改めて見直すとなんとも誤字脱字の多いことか!
改めて。
前節のリーグ戦、対エスパルス戦は今季ワースト試合を更新したと思えた。
開幕から変わらないメンバーながら、開幕時に感じた興奮はなく、前もその前も見たような展開に終始するグランパス。
「再現性不可」と思えた開幕時のチームは相手の対策ももちろん、しかし開幕からの期間を考えればその上をいかねば昨年の二の舞。
そんな中、リーグと同時並行中のルヴァン杯である。
出場メンバーは主にリーグ戦に出場していないメンバー達。活躍の場を与えられていない小林、金井が、櫛引が活躍しているというルヴァン杯。
彼らのリーグ戦メンバーに向けたメッセージを直に、この目で観たい。体感したいと思い、エスパルス戦の深夜にチケットと往復のバスチケットを手配し、私は6月26日を迎えた。
出発
今回の仙台遠征、出費を抑えるために往復をバスにした。
バス会社はさくら交通。
費用は往路が10:20発仙台行き ¥2,250
復路は夜行バスで23:30発新宿行き ¥2,110
ちなみにチケット代はビジター自由席 ¥2,000
合計で ¥6,360 でした。 バスの乗り心地については完全にお値段の通りです。
東京のバスの玄関口、新宿バスタ。
名古屋 栄のオアシス21に勝るとも劣らないバスターミナル。
梅雨真っ最中、ピーカンでした。
ユアテックスタジアム
ルヴァン杯 仙台戦1stレグに際し、ベガルタサポを代表される峰麻美さんが名古屋のパロスタのアクセスの良さを褒めてくださっていた。(翻って豊スタは遠い!)
その文中でユアテックスタジアムのアクセスの良さを強調されていたのでとても気になっていました。
そして実際、恐ろしい程のアクセスの良さ!!
これまでジェフ千葉のホーム、フクアリが最も、個人的な立地からもベストだと思っていたが…。
駅を出て、ちょっと歩いたら即到着!!
和泉中央駅を出て、グラサポさんがいたので少し着いていったら真逆でした。
私は関東グラサポなので基本アウェイ観戦が主です。初めて行くスタジアムというのは道中もワクワクしたり、スタジアムに向かうユニフォーム姿の人の群れ、街がどれだけクラブカラーを出しているかを眺めるのも悪くありません。
でもユアスタ問答無用。駅着いたらもうあります。
本当に近くて本当にこれでいいのか?戸惑いながら信号待ちをしていたら私の隣を白と水色の古い大型バスが右折していきました。
「あれ!?米本じゃね?」よく日焼けした男性が何とも窮屈そうに窓際に座り、その後部座席にはグランパスの選手を乗せたバス!と確信させる、相馬がまぶしそうに外を眺めているのを目の当たりにしました。
突然すぎて何が何だかわからないまま手を振り、「とんでもねえもの見ちゃった!」と興奮しながらスタジアムへ。
ゴール裏
ビジター自由席のゲートをくぐるとコンコースに座るコールリーダーの方々や爆心地でいつも中心となって声を出されている方々がいました。
中には私がゴール裏に通っていた9年前にも目にしたことのある方々が何人も!
いることがおかしいのではない。
風貌が変わっていない!老けてないから即わかった!
なんとも、懐かしい感じ。
ピッチまでが近い!
芝は確かにモフモフでしたが、自由席とはいえこのくらい傾斜があれば全体を見渡せます。
先ずビール。
さすがにアウェイ側でのスタジアムグルメ、ましてカップ戦もあってかお店は一カ所のみでしたが、ビールと牛タンセット(牛タンと麦飯)を購入。美味しい!
混まずに帰る幸せ。
渦中への移動 惹きつけるもの
この日のグラサポは100名程だったでしょうか。
上述の通り私もゴール裏中央を避け、より試合内容を観れる席に座っていました。
どうようの方々もいました。
「今日は人も少ないけど、皆集まって良い声出しませんか!良い声届けたいんで!」
そうトラメガで促してくれたのはコルリの方でした。
「ああ、そうだった。そうだよな」自分が何をしに来たのかを思い出させてくれる言葉。10年以上前、チケット確保に「遅い」なんてことはなかった時、アウェイゴール裏でもこうやって言ってくれたよな。そう思い出した。
私はこの変わってない感じが心地よかった。
そして上の写真のように前へ。正直上の席は隣に人もいなかったので、何とか達成したかったこともかなえられそうになかった。しかし移動して即実行。
自分の姿を後ろから撮ってもらうこと(笑)
私が着用しているユニは2010年シーズンに購入した元グランパスFW巻のユニ。
優勝したシーズンのユニでいろいろ縁起も良く大切にしていました。そして昨年、丸山が加入し、今シーズンについても背番号は17だったことから…。
仙台駅前の東急ハンズで勝った赤いビニールテープ¥108で細工。
その姿はMARU。
当時私は観戦時にはグリーンの安いキャップを被って観戦するスタイルでした。それを9年の時を越え、再現。
正直もうやってやった感すごい。
試合開始
スタメンは驚きました。
伊藤洋輝とネット復活以外がリーグ戦メンバー!!
システムや選手評等については私は書きません(ゴール裏じゃよく見えないし)。
やっぱ近い!!
この近さは何なんですか?そんなにピッチと高さを感じるでもないのに。
しかし、周りの皆さんがまとうユニは今シーズンのものが多かったですね。この近さったらないんですよ。ユアスタに行かれたことのない方に最も伝えたいのは写真左、白のパーテーション。
これより左側のエリアは試合中も選手のアップスペース!
正直言えば、冒頭にも書いたように所謂、これまでのルヴァンのメンバーが見たかった。
しかし、やはりだ。
現場にいなければわからないことは多すぎる。
そしてそれらの多くをゴール裏では共感し合える。
私はTwitterをしていますが、この頃明らかにTLに「〇〇イラね」とか、ネガティブなツイートが増えました。なんでしょう。しかも対象となる選手は大体決まっている気がする。
昨年から引き続き、今年も一時を脱したらアーリアがその対象に挙がっているのを目にする。リーグ戦で得点もあげた札幌戦は出色だった。
しかし、今のアーリアが何故にここまでスタメンを張っているか。個人的には現場で彼の一挙手一投足を観なければわからない。
声を出し、周りに指示を出し、チームの1stDFたる役目は他の誰にできるか。
この試合、個人的に印象に残ったのは「ミッチのための灯台」の役目だった。
リーグ戦ではジョーがいる。ミッチもロングボールを蹴る時に迷いなくジョー目掛けてボールを蹴れる。しかしジョー不在時はどうだったか。脳震盪の後遺症は疑われはしたが、安易なミスからの失点。彼自身のパフォーマンスを低下させるには十分な展開がピッチ内外になかったか。
清水戦の解説で早野氏が「ジャスールはね、技術が素晴らしいんですけど、まあ、ヘディングが嫌いなんですよ」と仰っていました。確かに嫌いそう。
しかし、この試合ではゴールキックの場面などで真っ先にミッチへ向かって手を上げていたのはアーリアだった。ミッチも迷わず、アーリアに蹴ることができていた。
ミッチから迷いを消す、ミッチのパフォーマンスを上げる役割を彼はしていた。
この日のミッチの活躍は言うまでもないですね。
直接観れたので伊藤洋輝について。
ルヴァンのレギュレーション上、スタメン出場したのは間違いない。トゥーロンでも指摘されていたが、彼はもっともっとボールを受ける、受けに行くプレーは必要なんだなと思いました。正直散々だったと思う。
15分経つかどうかくらいで赤崎がアップしていたので前半で交代はあると思ってました。彼も感じていたはず。
一回、前線で半身でボールを受けてキープ、そこから落とせれば…というシーン以外、個人的に見どころは少なかった。
まだまだなんだ。でも今のグランパス(というか風間監督)なら起こり得る起用。どういう意図があったかわからないけど、そこで得ないといけないものも絶対ある。グランパスに来て実質半年も経っていない。
ここでは責める人はいない。ただただ成長してくれ。信じている。
だから磐田から完全移籍しよう。←つまり
声を出し、闘う
ゴール裏の中心で写真撮っててすみません。でもこれも楽しみなんで!
選手のチャントはかなり歌えなかったです(笑)
でも新しいチャントも何となく合わせて声を出して歌ってハンドクラップしました。メインやバックスタンドで聞いていたチャントを歌えるのは嬉しい!
そしてそれより嬉しいのは10年前から続くチャントがあること。
何も考えなくても声は出て、手をたたき叫べる。
何でしょうね、帰れる場所って言っていいかな?
何かを変えないといけない、と考える者
1stレグに出場した選手たちは忸怩たる思いだっただろう。そのほとんどがベンチ外だった。
個人的な感想だと、ルヴァンメンバーなら勝てたと思っている。得点を挙げ、勝てたと。ただ、もしかしたら負けて、敗退した可能性もあったかなと。
リーグ戦メンバーでの結果はこの結果だった。
良くて敗退を逃れる、という至上命題の遂行。
清水戦後の青空ミーティングがどんな内容だったかは知らない。
ただ、この日の失点後に自然発生的に選手たちが円陣を組み、この試合の目的を明確にしたアクションはクラブのことよりもチームの、この日出場できなかった選手たちのことをも含めた行動だったと信じたい。
だから後半、ペナルティエリア内まで侵入しながら、決定機直前まできたのにゴールから逆走するアーリアがいたんだと思う。
自分たちの恥より、チームの意地を体現したと思いたい。
あの場面で「いつも通り」プレーを続けていたら確実に敗退していたとも思う。
この写真から読み取れるものは少ない。
ポジション的に手前で項垂れてるのは赤崎だと思う(ネットからの絶好のパスをまさかのコロコロシュートミス)。
左サイドは和泉だろうか(すごい切れてた)。
一番奥、もしかしたら中谷と櫛引は最低限の仕事をしたと確認し合っているのかもしれない。
中谷は丸山の負傷後にキャプテンマークを引き継いだ。
後半は失点をし、見返せば完全にオンサイドだったピンチも招いた。しかし天敵長澤を抑え、「そんなアジリティあったんすか」ってくらい広範囲をカバー、空中戦で戦う中谷がキャプテンマークをしていても全くの違和感はなかった。
1stレグを知る櫛引。ああ、丸山だったら…というシーンは無かった。数少ない1stレグからの選手。期するものを感じた。丸山と同じようなプレーを彼はしなかった。守っていた。それでいいと思う。
「こんなんで満足しろってのかよ!こんなんで戦えるのかよ!」と声を荒げる方もいました。
最もです。リーグ戦メンバー、現チームの1軍メンバーに近いメンバーでこの試合負けましたから。完封負け。仰ることは間違ってない。
選手たちが挨拶に来た後、一人遅れて挨拶に来たのは中谷だった。気づかなかったがインタビューをされていたようだ。負けたんですけどね。
中谷へは激励が多かった。
じゃあ中谷を責めれますか?
誰かを責めますか?
個人的感想
前述の声を荒げた方の発言があるまで、私はトーナメントで上に行けた事、この日の選手達はそれを達成することに全力を上げたと思えたので「良くやった!」といったようなポジティブな気持ちが充満しており、目の前の敗戦、ましてやベスメン出して勝てないというチームの現状を考えたらネガティブにもなったでしょう。
ただ、私はこの目で
・「それでも仕掛ける前田」を目にした。
・和泉と豊の連携で左サイドを突破していくシーン、ここしばらく消えてしまったものが観れたこと。
・和泉は近くで観ると相手を剥がすプレーはキレッキレだったこと。
・ネットはシミッチとは違う脅威でやっぱりグランパスに必要だと思えたこと。
・ミッチはやっぱりミッチェル・ランゲラックだったこと。
・米本が周りを何度も鼓舞する姿、陣形について要求するジェスチャーを見れたこと。
試合だけでもこれだけのものを観れた。中継では得られないだろう空気を感じることができたことに満足しかない。
ユアテックスタジアムは素晴らしくて、絶対また来たい。
ベガルタサポの応援の統一感も素晴らしく、多くは無かったであろうサポーターの声援は得点後圧倒的な圧を感じさせてくれた。その「圧」こそ、声を出して自分も選手達と一緒に闘いたい!と思わせるものだ。
ゴール裏という場所は、手前のゴールに味方が攻めあがってくる時の突進感というか、迫りくるものは観るものを虜にする、中毒者にする力があると改めて感じた。すごく見やすいスタジアムとて、反対側のゴールまでは何が起きてるか正直良くわからないし、この試合ははたしてハイラインだったのかもわからない。
観るより感じろ。
それでいいはず。
私にとってグランパスは心の拠り所だ。
リーグ次節負ければストレスは計り知れないだろう。でも選手達も何もしていないわけではない、当たり前だが「生き物」だ。
その生き物に自分の心情や境遇を重ねてしまう。それでもいいでしょう?
この試合で私が感じた事は当たり前のものじゃない。
サッカーに求めるものが違えば、目の前のゲームから得られた情報に対して怒りや侮蔑を発する人もいるんでしょう。
でもそんなのつまんないよ。
そんなんだったらしばらく観ない方が良い。それか観る場所を変えてみたらいい。
近場でなくて遠征してみればいい。
ユアスタのごみ捨ては結構真面目にやらないといけないやつだった。
ペットボトルもラベルとキャップとボトルを分別しないといけなかった。でもそれを促すボランティアさんたちに感謝の気持ちすら感じる。
6月の平日にこんなスケジュールで観戦に行けたのは自分が体調壊して休職しているからです。そんな自分ナイス。
9年前は負けたらストレスで誰ともしゃべりたくなくて、野次も飛ばしてました。
だけど時間経過よありがとう。楽しめた。
どうかこのクラブがこれからも、何十年も存続して、心の拠り所であってくれますように。