下町ビュー

国内サッカー(主にグランパス)、社会福祉と街歩き、人について書いています。

11節 対FC東京 境界線?

今シーズン初めての現地観戦。

昨年、ヴェルディ戦でも味スタには来ましたが、何せ相性の悪いスタジアムな印象。

味スタで勝ったのは優勝した2010年、ライスとに闘莉王が決めて勝った試合か。その前は本田のアシストをヨンセンが決めて勝った2007年?

 

この試合、開始は3バック。ディフェンスラインの誰かが中盤底に入るのだろうと思い、先日私は菅原を推薦しましたが宮原でした。確かに、間違いない。

連戦の疲労もあってか小林がベンチ。青木がスタメンに復帰しました。

 

果たして、宮原中盤は中を閉めるディフェンスという意味でも悪くなかったように見えました。小林ほど前に出ず、3バックのラインに沈むタイミングも違和感がない。並んでいたアーリアが前にいくので役割分担ができていた。

 

小林・アーリアは二人とも前へ前への選手。この二人に誰かが下りてきてパス交換をしてもどうにもその先が描けずに結局ボールロストからカウンターを食らう試合が続いていたので、攻撃力を下げてもバランスをとったのは正解、風間監督がディフェンシブなシステムチェンジをした点も興味深かった。

守備的と言っても、攻撃しようと思って、選手が無駄に密集・ノッキングしていたここ数試合を思えば前線をシンプルにするのは得策だった。

 

シャビエルとジョーのコンビは見ていて楽しかった。後に述べる。

 

和泉と青木だ。

右に和泉、左に青木。この両サイドがかなりパワーダウンしている。

和泉はポジションに関係なく視野も確保できるしキープ、パスも出せるはずだが、視線が下を向いていた。本人は意図をもってパスを回すのだろうが周りに伝わらずロスト多数。またフィジカル的にも負けるシーンが多かった。加入3シーズン目ながら完全にチームの柱と考えられ、この日はキャプテンマークも巻いていた和泉だが、風間監督が言う「脳が働いていない」選手の最もたるやか。

この日の前半は右ウイング。中にカットインしても大外を回る選手もおらず難しい展開。

後半は定位置と言っていい感じの左サイドバック

チームに立ち返る戦い方があるチームは大崩れしない、そんな印象があるが、今のチームにおいて立ち返るのは主軸選手の左サイドバックかと思う。後半は機能しなかった和泉も多少前を向いていく。

しかし左サイドの局面で和泉・アーリア・内田が集まる。パス交換を繰り返すがその先が無いからロストする。相手もロストを待てばいい。

今日の試合、ここ数試合の中では最も良い内容だったように見えた。追求するもロストを繰り返した局地でのパス交換を無くしロングボールでサイドチェンジ。そんな展開のなかに局地での高速パス交換から3人4人が絡んで前へ推進するサッカーができれば理想。しかし今の名古屋は3人いても外す動きがないのでただの足元へのパス交換で終わる。ある意味拘っていたものを半分以上そぎ落とした結果、凡ミスからのカウンターを防げた。FC東京は快速2トップを要し、ショートカウンターにおいては今シーズンリーグ屈指。その相手に対してもこのサッカーは良かったと思うししばらく続けて欲しい。

 

和泉よりも重症に思えたのが青木だ。

前節はベンチにも入らず、コンディショニング不良なのか怪我かと思われたがスタメン。よく前を向いてボールを持っていたと思いました。しかし倒れる。最初の数プレーで倒されてファールにならなければそれが基準だと考え欲しい。確かに今日の審判は適当というか曖昧過ぎた。不明なプレーはホームチーム側に有利にしておけば凌げる、という感覚すら得た。

それでもだ。自分から仕掛けながらチャージを受けて倒れる。

倒れ方はほとんどが膝から前へ崩れ落ちるような倒れ方。プッシングのファールでなければ完全に体幹で負けている。良い時の青木は両腕も駆使しながら体幹、ボディのフェイントだけで一人、二人は抜けると思ったが、代表クラスを揃える相手には厳しかった。それでも一回も勝てなかったのは単純にJ2レベルと言わざるを得ない。

 

シャビエルが今日は自由に動けていた。序盤から相手に羽交い絞めにされるようなマークを受ける(ノーファール)も次第に自分の輝けるスペースを見つけていた。所謂、トップ下の位置だったと思う。ジョーとの距離感も良く、二人で崩した場面もいくつか。

2人で決定機を作れることが今日の試合ではっきりわかった。今日、シャビエルはパスをほとんどジョーに出していたのでは?後半、青木に出せば厚みの出る場面があった。しかしシャビエルは青木に出さず、反転して右を使った場面があったはず。

あれはいろんな意味できつかった。青木が信頼されなかったと感じた。しかしそれが正解だったとも思う。

ジョー・シャビエルにアーリア、小林、そこに秋山の勇敢な突破が観るものを奮い立たせた。勇敢に突破する選手はだれだ?とよく見ると大体は秋山だ。秋山は難しくプレーをしない。縦への突破、ドリブル突破が魅力。前節は休んだが、それが良かったのか。フィジカルが整えば青木よりも活躍しそう。青木は正念場。J2で披露できた才能を上のフェースでどう表現するのか?高次元のプレーを簡単にやってのけることが魅力の選手。しかし今はもっともっと泥臭くしてほしい。

 

ジョー・シャビエル・ホーシャのブラジル人センターラインが効きすぎている。かつて外人頼みのくそサッカーと揶揄された時代の長かった名古屋。

 

昨シーズン、若手である和泉や青木が飛躍してそこにシャビエルが加入、さらに全体をレベルアップさせた。

シャビエルにとっても日本のトップカテゴリーは初経験。昨シーズンよりも自身のレベルは上げているように思える。ジョーの要求に合わせるために自分のリミッターを外すような感じ。そうしたらジョーには近づいたけど、周りの日本人選手がついてこれていないことにイラついてるような気がする。

 

今日はセットプレーから2点取れた。ゴール付近でのセットプレーには可能性を感じた。ジョーとホーシャの存在は大きい。

それでも3失点して負けた。

1失点目のPKは2階席からでよくわからず。相当微妙なレフリング。2失点目はランゲラックは良く出た。先に触ってフォローが酷かった。

後半開始早々の失点は相手のストロングな所を最大限に出された。この試合唯一といっていい展開かもしれないが、ニアに入り込まれるのを防げなかった。

 

やられたことは仕方ない。

やられても後半もアディショナルタイムに入ってもゴール裏のサポーターは諦めていなかった。この日最大の声援で後押し。実らなかったが単調なロングボールでシュートまで持ち込む場面を作った。あればサポーターが作らせたと言っていい。

 

現地で観戦しないとわからないこと。それは現場の空気だ。

3失点、今日もだ。それでも声援を送るサポーター。主観的なものになるが選手たちにはサポーターの力も少なからず届いたと信じたい。それほどのサポートをしていた。それに応えようとしたから、試合後に拍手だったのだ。拍手させるものがあった。

 

結果8連敗。

ダゾーン観戦だったらもっと悲観していたと思う。現地で見たからポジティブにとれるおもあった。シャビエルは単純に面白い。

しかしそれ以上に主役となるべき和泉と青木の視線が観ていてつらい。

 

次節、次々節とホーム。ゴールデンウィーク。GWを勝ちまくったシーズンの記憶がない。毎年この時期は試合が続く。

どんな内容でも良い。勝ってくれ。