大森氏と選手との掛け違い。人は成長できるのか。
早いもので、12月3日をもって、今シーズンの全日程を終了したグランパス。
ブログ作成にも手がつかず、死に物狂いで勝利した広島戦、奇跡的な残留を決めた湘南戦が遠い現実に感じます。
オフに入り最も激震を起こしたのは玉田への戦力外通告でした。
今シーズンもレギュラーで起用され、ピッチ内で攻守ともに絶大な存在感を見せてくれた玉田。衰えたのは局面の加速くらいなもの。
何故、クラブは玉田を戦力外としたのか。事実は補強の動向、結果でもって私たちが納得できるかどうかです。
今更になっても述べますが、この決定をしたのは大森SDと確信しています。その大森氏から玉田へ向けた言葉が玉田のブログから明らかになり、さらに大森氏への不信感が募りました。
この事態に赤鯱を始めとするグランパス番記者達も大森氏からの声を要求しました。思いのほか報道陣の前に出た大森氏でしたが、感情的にもなる番記者達の質問への回答はやや支離滅裂であったと感じました。
「自分も玉田と一緒にプレーした間柄。感謝している。彼にはこれからも試合に出続けることを期待したい。彼のためを思っての決断でもある。これは私だけでなく、監督や社長とも決めたことである」というコメントを発しました。
小西社長は現場でディレクションを行っている者どもの決定に基本的に逆らいません。現場がそう決めたのであれば承認するというスタンスでしょう。
風間監督も玉田は来季構想外、と考えるには疑問が残ります。
大森氏が他の選手獲得に大きな自信を持ったうえでの通達であったのでしょう。
玉田にしても個人的に影響力のある人間です。SNSを通じて「労いの言葉もなかった」と、交渉時やりとりを公表してしまうのはあまり良いことではありません。しかし、コンプライアンスをも考える余裕もなく、自身の心情を語ってしまったのだと思います。その点で、大森氏もここまでの事態になることは想定外であったでしょう。
大森氏は現役時代終盤、監督がセフからストイコビッチへ代わる際、否定的な意見を表明し、何故か?FC東京への移籍を希望したとの報道があったことを記憶しています。ピクシーが監督であっても選手としてまだやれたと思いました。
そんなこんなでひっそり引退。
フロントへの不満を露にしたまま退団したことで今後グランパスとの関りはないものと思っていました。そしたら2年ほど前にクラブに入閣。さして関心はありませんでした。
しかし、昨年の夏、突然の生え抜き選手磯村が移籍を決断しました。確かにポジション争いや自己のプレーが風間監督の求めるものと離れていた事実はあります。
しかし恐らく大森氏が放った発言のなかの一つ「もともと、来年の構想には入っていない」という非情な通達がされたと報道されました。おそらく、この磯村への対応は他の選手達にも少なからず影響を与えたでしょう。
その最もたる存在がクラブの象徴でもあった田口の移籍。
田口移籍に関しても相当な上から目線な回答が聞かれました。名古屋の宝と言える田口を手放したことはあまりにも痛く、今シーズン中盤に強度が失われたのは周知の事実です。風間監督を以て「心臓でありエンジン」と評された男への評価がドライなものであったことは、私個人が大森氏へ不信感を得るに十分なものでした。
今シーズン。夏の大型補強で大森氏の評価は上がりました。全てビッグディール。しかもほとんど情報の漏洩なく、監督の要望する選手をそろえてきました。
5名の新加入選手は全員、元のクラブで絶対的なレギュラーから外れた選手だった。つけ入る隙はあったのでしょう。そこへ周到なプレゼンを行い、気持ちを名古屋へ持ってきた手腕は評価します。
しかし、それらの功績と玉田への対応は違う。
大森氏は人間として、伝え方、功労者と呼ばれる人材、人へ対する言葉の伝え方に著しく障害を持っているというのが私の私見です。
来シーズン、強力なスカッドが加入したとして、事実、玉田の出番が減ったとしても、サポーターは玉田の力がいつか必要になると信じ、彼自身も出場機会を得るためにはどうしたらよいのか、考えることをしたはず。来年39歳となる選手でも、生きる場所を見つけるために一プレーヤーとしての評価を与えるべきだった。大森氏の一方的な思い込みで名古屋のレジェンドに大きな傷を負わせた責任は大きい。
玉田を慕う選手はクラブ内外に多い。人一人との付き合い方は組織の強化にも劣化しも影響します。
大森氏への評価は来シーズンが始まってから下すとしましょう。しかし、このようなクラブの出来事を見続けている中村直志がいつの日か、グランパスを取りまとめるポストに就くことを祈っています。
玉田の退団の報からしばらくして、昨年から名古屋のキャプテンを務めた佐藤寿人の退団も決まりました。日本を代表するストライカー。
2年間の在籍で彼が最もストロングとする部分をチームとして求められての起用は極わずかだったと思います。サイドハーフでの起用など、考え難いタスクを与えられていました。
寿人は降格し、焼け野原になったグランパスに土慣らし、再びピッチを緑にするために入団してくれました。一選手を越えた人間。
勝利したときには選手を束ね、ゴール裏で勝利を最高潮に盛り上げる演出を率先して行った寿人。ピッチ上で試合を終えることも少なかったですが、勝利の輪の中にはいつも彼がいました。
今年は名古屋グランパスという会社が総力を上げ、営業部門、マーケティング部門すべてがプロフェッショナルな活動を行い、その努力が結実した年でもありました。40000人を超えるサポーターをスタジアムに引き留めるべく、勝利をチームサポーターと分かち合う繋ぎ手になってくれたのは寿人でした。
裏方の仕事の総仕上げはピッチ上でプレーし、メインコンテンツであるJリーグの試合。来場した客を繋げることに意味を見出した寿人には功労賞を与えてもいい程。
次の移籍先に古巣・ジェフを選んだところも彼の人間性を表す決断だった。声を大にして「ありがとう」と言いたい。寿人が名古屋に二年間いたことをサポーターとして誇りに思います。
来シーズンへの展望はまたの機会に書きたいと思います。
対清水 示せる者と示せぬ青木
柏戦から、
対 神戸 負
対 C大阪 勝
ときていました。神戸戦は4万人を超える観客動員に成功したものの、見事相手の大物選手に活躍された。
前節、中二日での一戦。相馬の活躍、秋山の躍動で会心の勝利を得ました。課題だった試合の入りも改善したように見えた。3CBの一角に組み込まれた和泉、秋山が迷いなく自分のプレーを発揮、ピッチを駆け回った相馬が決勝点。
本日の清水戦。
特に目立ったのは左のアウトラインを秋山が疾走。その内側をCBの和泉が駆け上がる。この左サイドの連携が痛快にはまりました。
前節先発に復帰した秋山は昨年、特別指定選手として活躍したような大外を駆け上がり、他の名古屋の選手よりも深く切り込むプレーで活躍した。
あまり専門的なことは表現できないので、個人的な感想を言うと、ボールを受けたら周りの動き出しをもってプレーを選択する選手が多い中、周りが動かないとどんどんプレーの選択肢が減り、結果ミスに至る選手とそうさせる展開が多い。
これが良くも悪くも今のグランパスの選手達。
途中加入した前田が輝けている理由の一つはそういったグランパスに染まった集団とは別の動き、自分から仕掛けるプレーを見せているからだと思う。
しかし前田のそんなプレーを風間監督は決してダメとはしていない。前田とて、組織を崩して独断プレーをしているわけでもない。風間グランパスに見慣れてしまうと、今の前田のプレーや昨年スーパーサブとして異端な存在感を放った杉本のプレーに即興的な興奮を覚えたサポーターも多いのではないか。
ボールを受けてから選択するプレーが何なのか、誰からもわかっている。これは相手からしたら対策が取りやすい。しかしグランパスというチーム自体、相手のマジョリティイメージが「何をしてくるかわからない。再現性の低いサッカー」をしてくるという物の中では非常に効いてくると思える。負けているときのラストパワープレーに近いような期待感。
そんな期待感を体現してくれたのが前節の秋山であり、途中出場を繰り返しながらアシストを残し続けた相馬だった。
秋山は大学時代は中盤の中でもプレーしていた選手。持ち味はと活躍の場は広いはず。そのため今年は和泉とのプレー被りが心配でもあった。ベンチが固定となり、しかもサイド突破からのクロッサーという武器を期待されて投入された場面はほぼ皆無だったはず。
サイドからのクロスはジョーがいるグランパスには間違いなく有用だ。秋山のストロングな部分は突破力も当然、見方に預けてから当然の如く深くに侵入するという形。ボールを渡された選手も秋山の居場所は関知しているはずなので選択肢が増える。
今日の清水戦、敗戦に至った2失点はどちらも左サイド、秋山と和泉が防がなければいけないサイドだった。反省する面は当然あると思う。しかし2失点だ。課題とすべきはこのラスト2試合という時点で秋山を活かし活かされるプレーをジョーに求めなければならないことかもしれない。
またも何を書けばまとまるのかわからない記事だが、ボールを大事にする、中を崩す、止めて蹴る、剥がす、だけでは勝てない。偶発的なものに頼っては勝てない。
選択肢は少なくていい。少ない選択肢のなかで自分を信じるプレーが発揮できる選手がチームを勝利に導けるはず。
敗戦に落胆しきるわけではないのは、秋山、前田、そして相馬という選手がいるから。
信じて応援するのみ。
対 柏 守り抜いたというより総力戦で勝った
対 柏
1-0〇
@日立台改め、三共フロンテアスタジアムへ観戦に行きました。
グランパスは報道の通り3-4-3で臨む。
抜擢、という言葉が当てはまるのは3CBの左に櫛引。左WBに青木。櫛引は新井との競争に勝って先発。
左WBに金井、右に和泉もありえたであろうなか、青木が先発でスタート。
序盤は柏のアタック。右の小池、代表帰りの伊藤の攻め上がりは効果的に見えた。
ほぼセンターから瀬川に一点もののシュートをミッチがファインセーブ。右手一本。確かに猛攻といっていい攻めだったものの、ミッチのセーブもさることながら、中谷は対面のクリスティアーノに全く負けず。
攻められてはいるものの、時間と共に3CB+両WBの守備は機能し、破らるのは時間の問題という感触はなかった。
柏でやっかいだったのは18番の瀬川。名古屋ディフェンスラインの間に入り、絶えず裏を狙っていました。
しかしながら、些細な動きにも名古屋の最終ラインはマーク&カバーを疎かにせず。観戦していた席がちょうどディフェンスラインの位置の延長線上だったので良くわかりました。
転じて、攻めはどうだったのか。ネットが以下のようなポジショニングから全体をコーチングしながらオーガナイズしていたように見えた。
最終ラインの右サイド。中谷よりも右とでも言いましょうか。当然、相手もここまでマークに来ません。この位置から身振り手振りでチームの動きを指導しているように見えた。そしてネットからして「整いだしたか…」なタイミングで本来のポジションへ上がる。
20分程、相手の攻撃を凌ぐとわかりやすい名古屋ペース。小林が前目、かなりフリーランしながら中継地点をつくる。空いたスペースへ玉田が流れ、ドリブルも交えながら流動性という流れを生む。
自分より一歳年上の選手がここまでピッチ内で動き、エンジンを点火させるために動く姿は尊敬の念でいっぱいです。
左WBの青木はボールを持てば独特のタイミングで違いを生もうとしているのがわかりました。しかしそれがチームとして効果的だったかといえば微妙。5レーンでいう、最もサイドのレーンに固執したか。
右WBの前田はボールを持てば自分のプレーで縦、カットインしての中、という自分の武器を見せ、仲間もその動きを生かすべくポジショニングしていた。
青木に足りないのは自分が生きるために、自分のプレーを仲間にもっと理解させることかもしれない。青木のプレーをチームで出させるようにすれば名古屋の武器はまた増える。
そうこうしているうちに、やはり存在感は異次元に近かったシャビエルの折り返しから前田がゲット。やはり、逆サイドでの自分の動きを理解していたからこそ、あのポジションに前田は居れたんでしょう。
ちなみに得点後のディフェンスはさらに安定。以下のようなラインを形成。
真ん中で丸山が常に瀬川をみはる。
前後半合わせても、丸山のプレーは秀逸。後半、神がかったシュートブロックはこの日一番の見せ場だった。
櫛引は自分の存在感を見せつけた。自分も気づいたか。機動力のあるCBだ。攻めあがってラスト-1プレーヤーになることも彼の持ち味。サイドバック起用されてきた効果が表れている。前述の丸山のシュートブロックの奥で櫛引もブロックしていた。
新井ほどの堅牢さはない。しかし機動力という点では櫛引の方が上だった。彼の努力を見ることができた。
ミッチのセービングは見事。パンチングにしても間違いのない所へボールを弾く。ミスがない。本当に素晴らしいGK。
中谷も素晴らしい凱旋試合だっただろう。空中戦で全く負けず。ラインを上げてボールがきても落ち着いてパスを成功させる。文句のつけようがないディフェンダーだ。
柏のCBには共に将来を嘱望された中山。彼も最終ラインから前線へ素晴らしいフィードを何度も見せた。この二人がいればどう考えても将来安泰だ。中谷を手放した柏の罪は重く、5年契約、移籍金2.5億で買い取った名古屋は素晴らしい。
ちなみに試合後中谷は誰かとユニフォーム交換をしていた。誰とだ?と思っていたら鈴木とでしたね。尊敬する先輩だったのでしょう。
移籍したチームで活躍することが恩返しとは、この日の中谷の活躍が本当に物語る。終了後、名古屋サポータースタンドへ挨拶後、一人、真っ黄色な柏ゴール裏へ走っていく中谷。挨拶、というより、まさかの深々としたおじぎ。
数秒間でしたね。私にはブーイングしか聞こえませんでしたが、拍手もあったようです。このような光景を見ると、彼の事は名古屋が立派に育てますよ!と言いたくもなるし、柏のチャントは独特且つ、レイソルからしたら心強いものだろうと思えました。
今シーズン、田口、永井と名古屋に在籍した選手が名古屋サポに挨拶にくるかと期待したら、全く相手にもされなかったのは悲しかったです。それだけに、この日の中谷の姿勢に感激。
日立台は本当に素晴らしいスタジアム。距離感の近さというのは、サッカーの展開を全て楽しむ、という物とは離れますが、サポーターから声援を受ける選手の期待値や選手の声、ボールを蹴る音など、臨場感を得ることができる。
SSビジター席¥5100、十分価値あった!
今シーズンの現地観戦はこれで3試合中2勝1敗。勝ち越し!今年はもう現地観戦は難しいかもしれないなー。
しかし日立台を考えると、大箱サッカー専用スタジアムが全てじゃないと本当に思う。
対FC東京 長期休暇明けの仕事より年末に向けての繁忙期に期待。
1-2●
2失点を気にしても全く意味ないですね。
結果1得点しかできていないことが敗因。
フィニッシュからマイナス1、2プレーにピッチ上で意思の共有、目が揃っていなかったと思える。
宮原が負傷交代。試合早々にボランチ和泉が右サイドバックにポジションを移すことになる。対面はリーグ屈指のSB太田。
結局、太田の攻め上がりは記憶になく、和泉が相手陣内、深い位置でボールを持つ時間が多くあった。起点となるものの、足元でボールを保持し過ぎたためにシンプルな選択肢がなくなっていった。ボールをキープするとペナ付近にアーリアが近寄るも、前田が動き回るスペースを消していた印象。
ラスト-1が拙速となるため、ひっかかる。セカンドボールを拾えるポジショニングがアーリア、小林共に上達していない。
バタバタし過ぎていた。
急ぎ過ぎていたと思う。攻めれるときに攻めよう、という気持ちをジョーが下がることで休息を得ることができていたような気さえする。FC東京の攻めも順位に見合うものではなく、しかし丸山・中谷の個人守備も強かった。マイボールにすることはできていた。
ボランチの小林とアーリアに自信がないように見えた。プレッシャーに晒されても慌てない自信が必要だ。和泉に期待する部分が大きかった。中央で自信を持ってボールを保持、フィニッシュ-2のプレーが足りなかった。このプレーが上手いのは金井だと思う。金井⇔和泉でプレーに創造性が欲しかった。
ジョーが下がってテンポを作り直すプレーをしていたのは気の毒。ハードワークしているのが玉田だけじゃ勝てない。ネットが走らない分、他の選手が走る、というような雰囲気も無く。
連勝中の攻撃はパターン化しているような明確な形はなかったように思う。それがために相手も対策が取りにくく、グランパスの個の力が生きた。パターン化しない攻めの中心はネットと金井。ネットは不在で金井は自身の裏のスペースをチーム全体が意識し過ぎた。
ゲーム間隔が不規則過ぎてコンディションを保つのも困難。フィジカルコンディションだけでなく、当事者しかわからないようなゲーム感というものも難しいのだと思う。
スタンド上段から俯瞰していたネットはどう見たか。
明日からネットのレクチャーに注目。
それにしてもゲーム間隔が不規則だと、本番に臨む感覚が長期休暇明けの仕事みたいな感じなんだろうか?
グランパスは真夏だったり、連戦、というあまり望ましくない状況に強い印象。
また一週空いてのレイソル戦。完全に残留争いの準決勝のような様相を呈してきました。そこから連戦。むしろ歓迎しましょう。
信じるのみ。
対 川崎 これが「レッスン」か。。
フロンターレ相手に
3-1 ●
完敗でした。
なんでしょう、ここまで潔く完敗と認められるのは。
それは間違いなく、相手が自分たちが目指すべき姿だと、誰もが思える姿だったからでしょうか。いや、そうです。
時の監督がピクシーだったか、セフだったか。外国人監督が敗戦後のコメントで「先ずは相手を称えたい。我々にとっては良いレッスンとなった」といったものをよく見た気がします。
当時は「負けておいて何言ってんだ!」と思いましたが…。
そのコメントを選手をはじめ、各SNSを見てもサポーターからも挙がっているのだから今節のまとめの言葉が上記になると思います。
書き始めると止まらぬほど、様々な面がフロンターレにはありました。
・中央崩しは当然。しかし両サイドにどんどん振る。
・どこを攻めるか、どこを囮とするか、デザインされた攻撃。
・デザインしているのはやはり中村と大島。
・所謂、選手たちの目が揃っているのか恐ろしい連動性。オートマティック。
・何故デザインか、中村憲剛が完全にピッチを俯瞰しているため、「崩す」というパスをこれでもか、と出す。
・グランパスの選手たちが意識して剥がす、運ぶ動作をしている所、フロンターレの選手たちは無意識的に行え、次のアイデアで頭を使えている印象。
…。フロンターレが関塚氏の時代からグランパスは中村憲剛に崖から突き落とされてきた思いがある。ゴール裏から、傾斜が緩いスタンドでも一発で「そこ出すか…」というパスで崩された経験が多い。個人的にはガンバの遠藤よりも、圧倒的に中村憲剛。健在過ぎた。
健在であれる理由としては、前で家長、横に大島といった同じ頭脳を持つ選手がいるからか。自分の成す仕事を変わらぬ技術と増し続ける経験でピッチに君臨している。
グランパスが自分たちのサッカーでフロンターレに臨み続け、善戦し、観るものを楽しませることはできる。ただ勝てるか…。
長崎が徹底的にフロンターレ対策を講じ、選手が完璧に実践、セットプレーから1発ワンチャンゲットで勝つことはありえると思う。
グランパスの話。
和泉は気合が空回ったか。挑み、躓いた印象。オウンゴールが評価のマイナスではない。普段やれていたことができなかった。2人相手に挑むのは厳しかった。周りも生かして欲しかった。前半ながら相当な疲労感が見えました。
グランパスは金井の動きを変えなかったと思う。その結果、和泉が金井の上がったスペースも意識していたと思う。真面目な和泉ならでは。自分は攻撃的に、と割り切ってしまう選手であれば失点はもっと増えていたかもしれない。
前田は一人で決めれる選手になっているんじゃないか?という程、攻め切っていた。得点もただ裏抜けしていただけでなく、シュートスピードも十分。
ジョーを使っている。
トップにいても良い。右サイドにいれば宮原とのコンビを作れる。コメントも貪欲且つ、いつから居たんだという程の論理的なもので関心します。
宮原からかなり下りたジョーへパス。ジョーからの速いパスをゴール手前で受けた金井、ラストパスを前田に。
この一矢はやはり金井の意外性、持ち味からグランパスが創り出した形でスカウティングでなんとかなるものじゃない。完璧な得点だった。
要はこのグランパスの完璧な形をフロンターレはいつでも発動させていた。
SNSで全く歯が立たなかったわけではない、というコメントを見て唖然としました。歯が立たなかった。
しかし自分たちが目指すところが弱くなくてよかった。
もう、そこを目指すべく、残留しよう!
対 長崎 課題に向き合わせるための敗戦
対 長崎
3-4 ●
結果を先に見ました。勝敗は逆だと思い、久々だな~と思ったら負けてました。
これは磐田戦で顕著になっていた金井の上がった後のスペースを突かれての失点かな、と思ってハイライトを見たら正しく過ぎました。
かといって左サイドの最終ラインに金井が居なかったことを責めることも違うと思いましたが。
この試合前のチーム練習、だいぶディフェンスラインを上げるよう指導があった模様。それを意識してなのか、相手もグランパスがボールを回すことはわかっていた。よくある持たせていたことによって、最終ラインはチャレンジではなく必然的に、何も意識しなくてもハイライン状態。
試合を映像で通して観ましたが、CB丸山のパス捌き、ボールの置き方等々、個人のスペックの高さがこれでもかというほど見れました。金井が上がったエリア、左サイドを起点としてパスを配給。
この試合のネットはコンディションかなり上がっていたのではないでしょうか。かなり運動量多かったと思います。相手5枚+4枚で中を固める長崎の守備にも速くて重い縦パスをジョーに当てるなど、一気に打開できる能力を発揮。
全体的に、ライトに観るとそれほど悪くなかった。というか前と比して大きく悪かった部分があったと思えず。
しかし、相手の狙い通り、低い位置でボールを奪われる、セカンドを拾われて一気にディフェンスラインの裏へ走りこまれる。個人で見ると児玉が相手にとっていい位置でボールを奪取されピンチに。
最終ラインは全力で戻る、中盤は攻め残り気味で間にスペースがぽっかり空く。そこをドリブルで進まれ、そのままミドルシュートでこられる程度であれば失点は無かったと思うが、これでもか!と左サイドへ出し、そこにいる相手選手は渾身の折り返しに中で合わせられ失点。
失点がほぼ同じ形なので、タラればが使いにくい。
完全に相手のグランパス対策が遂行されました。完敗。
相手の前線に決定的な選手がいれば、グランパスの守備意識ももっと後ろに向いたと思う。鈴木武蔵らでは危機感が湧かなかったというのが正直なところでは。
間違いなく、同様の攻め方を今後他チームからもされる。そこへの対策を立てよ、という敗戦。
この試合、左SHは児玉が先発でしたが、試合のスタートから和泉が見たい。戦術的に後半途中からの起用ですが。最初から全力、余裕があれば今後は青木の復帰へ向けても取り組んで欲しい。
後半だけですが、和泉も地力で左ペナ角侵入、ミドルがあります。未だ決まった場面はように思いますが、左45度からのグラウンダーシュートが決まるようになればもっと恐ろしい存在になるはず。
強豪に負けたならまだしも最下位に負けるなんて…と思わず、課題を受けてラストへ向かって臨んでいきましょう。
川崎相手に和泉温存はナンセンス。シャビエル次第ですが、名古屋の象徴としての和泉を見たいところです。
対 磐田戦 相手より強かっただけ
対 磐田
6-1 〇
これで7連勝。
7連勝というと95年シーズンにグランパスがベンゲル監督のもと躍進したときに遂げた連勝記録を思い出します。さらにその上をいくと、99年シーズンの終盤に10連勝した記憶があります。あの年は首位の清水と勝ち点差2ほどながら、優勝争いに加われなかった。
ジュビロは3バック。ジョーとシャビエルに食らいつけず。中盤の田口と山田も守備に加勢することが少なかったので今までにないほど起点がつくれた。
ジョーがどこにいても起点になり、空いたスペースをシャビだけでなく、前田、玉田、金井、さらには宮原まで攻撃に加わえてしまう流れをつくります。
このところ宮原のオフェンスでの活躍が目立つ。
前節PKを獲得した場面然り、惜しいシュートもあり。早くて鋭いクロスを持っているわけではありませんが、ドリブルで外して前へのパスコースを作れる。このところはスペースが発生したら自分でドリブルで仕掛ける形が増えています。前田との相性が抜群。前田は右でもらってカットインしていく形が好き。
右は必然的にスペースが生まれる。そこに侵入し、攻撃の仕留めの部分にも加わってくるようになった。仕留める可能性が高まっている雰囲気を感じる。
単にスペースがあれば縦に早く推進して良いクロスを入れられる選手はJ2にも多くいます。宮原は一発のクロスはないものの、トラップ、パスの基本技術が抜群に高い。止める、蹴る、外し運べるから右サイドバックながら単身で攻め終わらせない。クロス以外の選択肢を多く持ったサイドバックに成長していると思います。鹿島の内田レベルにいけるんじゃないでしょうか。日本の右サイドバックであれだけの技術と守備センスを持ち、攻撃にも関われる選手はいないと思う。
右で仕組んでいたら2、3人目でいきなり左大外からキラーシュートを持つ金井の存在も大きいったらない。金井まで受け手として考えられるチームはないでしょう。
確かに金井のサイドからジュビロは攻め崩しを多く作ったものの、数度の決定機を決めきれないでいたら金井に得点を許すという結果がこの日の象徴な気はしました。
敵になってしまいましたが、田口の空中戦、ゴール前でのヘッドのセンスはやはり際立った。CKからのヘッドはもうミッチを称えるしかないでしょう。あれを止めるのはちょっと反則でした。
どうしても田口には注目してしまう。枠内シュートのほとんどは田口のシュートだった印象が強い。田口のシュートスキルはGrampusがよく知っているだけに、枠内にシュートを飛ばしてくる姿は嬉しくもあったんですがね。
結果的にジュビロの攻撃が完遂未遂の結果、攻め残っている、ではなく自分のポジションにいたグランパス攻撃陣のもとへボールは渡り、数タッチでボールはジュビロのゴールの中。
ジュビロのゴール前を切り裂いた、というよりも相手ディフェンダーを粉砕したという表現が合います。相手を背負った選手にボールを当て、受けた味方に飛び込んでいく二次攻撃、受け手となるジョーは相手を完封しているので味方も当たり前に攻め込みます。相手も先ずジョーに当たらないとどうしようもないので…。
数少ない攻撃の形を完遂するのでグランパスの目指す攻撃の形が良くわかる。別に狭い所を敢えて突く、というのではない。先ず前線での攻防に勝って、そこから相手を攻めている。攻撃の緩急、というのも最初のパススピード、落としたボールの動きで如何様にも決められてしまうのでパターン化しづらい。
ただ毎日「目を揃える」ことへの訓練を重ねているのでグランパスの連携は高まっている。フィジカルコンディションも目に続いて身体も合う。
アーリアも理解していないわけではないと信じたいのですが。ハードワーク、失敗したならネガティブトランジションを個人戦術として持たなければ歯車に入れない。
最後の最後にシャビエルが負傷。
しばらく負傷離脱することになります。かなり痛いですね。連勝に絶大な貢献をしつつ、得点はなかった。この日はジョーからの最高なパスを最高な形でゴール。喜びも大きかっただけに。。
ジョー、中谷という連勝を支えるメンバーの不在を勝ち抜いてきたグランパス。次はシャビエルの不在を乗り越える必要が出てきました。
主力離脱により、アーリアが先発に復帰する可能性は当然高まりました。今後に向けた大きく、しかし厳しいチャンスになります。厳しい状態を乗り越えたメンバーを凌げないと主力にはなれないでしょう。
大袈裟ですが勝つも負けるも自分次第。
20年前なんて、過密日程で疲弊していたジュビロに準備万端挑んでも勝てなかった。そんなイメージが根強いのに最近は負けてないのだと。