風間グランパス、戦い方は変えてません。
対 鹿島
4-2 勝利
対 横浜FM
2-1 勝利
鹿島線は最高の勝利でした。
試合展開もさることながら、営業努力によって観客動員4万人超え達成。様々なタイアップやキャンペーンを投じ、動員数という数字を達成した営業の方々が最高の結果を出しました。
この展開、これまでも何度かありましたが決まってグランパスは敗戦してきました。夏に着用することの多いキャンペーンユニフォーム期間、昨年は最高の結果を残しましたが、今年のような黒ユニフォームには黒星の記憶しかありませんでした。
通常よりも来場者が多いということは、チームが連勝を始めたことに加え、当然「初観戦」の方々が多く来場されたということ。
この試合で勝つのか負けるのか、初観戦者が「また観に来たい!」と思わせるかどうかはピッチ上のグランパスの選手達次第だった。
そこで痺れるような試合展開で勝利。これは完全勝利です。名古屋グランパスという会社の勝利でした。
ネットが先発。小林も数試合続けてミドルレンジの浮き球パスを取り入れ、ピッチを広く使いダイナミックに攻撃を仕掛ける戦い方が増えたなというのが印象。
針の穴を通すがごとく、細かい所へパスを通すことがノルマになっていたような中断前とは打って変わった姿、そしてそれでジョーが得点を増やしている事実。
1階席がすさまじく見にくいこのスタジアム。せっかくなのでメイン2階席で観戦。
スタメンは前節から変更なし。
腰の負傷?で前節不在だった和泉がベンチに。秋山がベンチ外。
マリノスはDFが3枚。伝統的な強さを誇るCBを3枚並べてきました。ただしハイラインは変わらず。
グランパスの一点目は中澤が処理ミスをしなければ相手の絶好機、狙い通りの攻撃が展開されたはず。しかしここでのミスから縦に早いグランパスの三人を走らせてしまった。シャビのパスは少し力不足、カットされたと思ったらジョーの足元にボールが置かれていた。相手の3番が詰めてくるも全く慌てず、冷静かつ豪胆なボールの置き方からシュート、ゴール。
開始4分。早い時間帯過ぎてシュートが決まらなくても「良い形作れた!」とポジれる所を確実にジョーは決める。
以降、前半にグランパスのビッグチャンスはカウンターからジョー→前田ロスって→ジョーのシュート。
右サイドから作ってセンターで前田が受けて左から絶好の上りを見せた金井にラストパス、ドフリーも枠外。コメントで「感情が入り過ぎた」と本人談ですが、踏ん張りが無いように見えたので「ふかすな」とは思いました。
それらチャンス以外はほぼマリノスがボールを支配。
結果失点ゼロでしたが、観ていても怖さは感じなかった。5番喜田はすごく良かった。唯一脅威でした。パスを捌ける扇原や天野が横パスに終始。
グランパスが相当守ってました。決してドン引きしていた、というわけではなく、相手にボールを回せていた感じ。秀逸でした。
後半開始早々ビッグチャンス。ネットがGKと一対一になるもミス。GK飯倉は良かった。
だんだん、目に見えてネットが重くなります。ネットを中心にチームの重心が移動しているチームで、重心であり錘でもあるネットが下がることで全体が下がる。狙ったパスカットも狙えず、身体のバランスを崩されても修正に時間がかかるなど明らかなコンディション不良に陥りました。
間違いなく交代させると思いきや、そんな最中に相手にラッキーパンチももらいながらもネットは結果フル出場。ちょっとサイドチェンジもできないんじゃないかくらい重かったです。
鹿島戦でも思いましたが、ディフェンスに狙いが出てきたように感じる。下がり過ぎずにシュートコースを限定させ、ペナ外からなら打たせてOKくらいな感じ。
ピクシー政権時、「ディレイ!」と言ってものすごい勢いで増川が下がりに下がってシュートブロック戦術がありました。あそこまでではないですけど。それはそれで良いじゃないですか。丸山と中谷という能力の高いDFが自身のサッカー脳でもって対応してます。
失点後、ホームチームサポーターが俄然雰囲気を作る。ゴール裏にいるとわからない、相手チームの高める雰囲気を感じました。これは選手にも多大に影響すると感じていました。
グランパスはネットを残し、玉田と前田に代えて和泉と相馬を投入。
相馬は右サイド。
果敢に縦に仕掛け、恐らく全てクロスを上げてました。要するに対応された相手にボールを奪われてない。ギュン!と縦に進み小さな振りで強く早く重いクロスを上げれる稀有な選手。
逆サイドまで流れたクロス、飯倉にキャッチされたクロス、シュートだと思うけどジョーの頭に合わせたボール全ての質が他にない質。
マリノスも後半盛り返したとはいえあまり脅威を感じない。名古屋に持たされている様。
そんなこんなの90分に生まれた決勝点。
宮原は相馬へ預ける。縦への突破力は圧倒的に相馬が強い。タッチラインギリギリでボールを受ける相馬。宮原は出した後はポジションに残ります。
縦にドリブル、相手の山中はタックルに来ますが、この瞬間にはクロスのインパクト。
飯倉に一度ニアでキャッチされていることもあり、ファーへ強く早いクロス。弾道が素晴らしい。相手DFを外してフリーになるジョー。ほぼ空中停止。
ジョーのヘディングインパクト。クロスが重かった、さらにジョーが完璧なフォームで上から叩きつける。飯倉は正面に位置し体に当てるが、ボールの勢いは強くゴールマウスへ。
衝撃的でした。
ジョーが半端ないヘディングをしたのはわかった。ただ飯倉に当たったのも分かったので逸れたように見えてしまい…ゴール裏の歓声でゴールだとわかった。
相馬のような縦に仕掛けてそのまま強く早いクロスを出せる選手は今のグランパスにはいない。どちらかというと不要とされてきた感じすらする。昨年まで見渡して、それができたのは古林くらいか。
にしても、振りの小ささからは想像できないクロス。あれは初めて阿部翔平のノンステップサイドチェンジを見た時のような感動でした。
一芸を持った選手。相馬がラストピースだったのかもしれない。
連勝は4に伸びた。
しかし後半ネットの重さは尋常じゃなかった。それでも代えなかった監督。
次節、ジョーは累積で出れない。FWをどうするのか楽しみです。
カウンターだったり、リアクションサッカーで全然ゲームを支配してないじゃん。という見方をされる方もいるでしょう。しかし風間グランパスは点を奪うことのみに特化させて勝たせようとしている。ポゼッションを高めるのはチャンスを多く作れること、ポゼッションしている限り相手の攻撃はないという、これはむしろディフェンスの要素なんじゃないか?と思えてきます。
奪っているゴールもどれもこれも技術の賜物であり、技術を求める今のグランパスの形です。
守備練習、対策を練っていないと豪語するのだから、むしろ失点も一時の結果にすぎず、切り替えて攻撃の再築にサポーターは力を与えるべきだと痛感しました。
いろんな意味でサポーターしてて楽しい時期です。
頑張りましょう。